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院長メッセージ

『地域の最後の砦として』 2019年3月

 国立病院機構横浜医療センター病院長をちょうど3年間勤めさせていただきました。
 日本は世界1の長寿国ですがその理由の一つに国の制度として医療保険、介護保険、障害者福祉制度がくまなく全国に行き渡らせている仕組みがあります。日本ではすべての医療が全国民に公平に届けられるよう全国均一の診療内容、費用を国が決めています。医療者たちもこの使命にこたえるべく献身的に働いています。
 昨今医師の勤務時間の残業時間を年間約2000時間弱を上限とする案が報道されていますが自分が手術を受けるとき、毎晩毎晩夜の12時過ぎまで昼夜なく働く医師に頼みたいでしょうか?そんな悲痛な勤務環境の叫びが『医師の働き方改革』のなかで議論されています。患者さんは手術後はその晩だけでも主治医に徹夜で見守ってほしいけど、そのまま次の朝から自分の人の手術を始められるのであればたぶん嫌ですよね。しかも医師はたえまなく勉強して自己研鑽につとめ、医療の改善を目指した臨床研究にも時間がとられて膨大な時間を医の道を選んだ者の使命としてささげているのが実際です。
 人手を増やしてよりサービスを濃くしようとしても全国均一の料金が法令で決められています。医療には特別メニューや特別料金があるわけでわけではありません。昔の国直営の国立病院とはまったく様変わりして、いまや自給自足で賄う当病院の経営は市場原理の経済界と同じで大変厳しい状況にあります。
 これからもみなさまのさまざまな形での当院へのご支援、またご理解をいただきながら地域の最後の砦として努力を続けてまいります。この1年間院長メッセージをご覧いただきありがとうございました。




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