『新年を迎えて』

2022年1月

新年あけましておめでとうございます。
　新変異株(オミクロン株)情報が世間を騒がせていますが、横浜市内の発生数はまだ少人数です。昨年この時期は、重症者が多発したコロナ感染症第三波の真只中でしたので、我々医療者にとって２年ぶりの穏やかな正月だったと感じています。これは市民の方々の積極的ワクチン接種の成果だと考えます。ご協力ありがとうございました。
　ただ感染を予防する抗体価は徐々に低下します。現在の状況を保つには追加(ブースター)接種が必要です。副反応をご心配の方も多いと思いますが、頻度は二回目接種と同等と報告されています。ぜひ接種を受け、そしてマスクや手指衛生、換気等の基本的感染防止対策を継続するようお願いいたします。
　令和は自然災害と新型感染症という波瀾万丈の時代です。昨年、東京オリンピックを狙ったようなコロナデルタ株による第五波は、これまでの波とは異なる大波となり社会を大混乱させました。当院は横浜市内でも有数のコロナ重症者治療施設ですが、危機的状況となった第五波ではこの体制を強化、2病棟を高機能病棟（HCU）に変更、医療者集約のため1病棟閉鎖という前代未聞の方策を実施しました。同時に地域の医療関係者に適切な情報を提供、軽症者や回復者の受け入れ協力病院等での体制作りを援助しました。これにより地域全体でコロナ感染症に対応する体制ができ、危機的状況を乗り越えられました。今年、ワクチン追加接種に加えこの地域医療体制を生かせば、コロナ感染症は「恐るるに足らず」とは言えませんが「対応可能」だと考えます。
　さて、マスコミでは昨年の全死亡者数が予測より多いと報道されています。これはコロナ感染症の直接的影響ではなく、過度の外出制限が招いた受診控え等による間接的影響と考えられています。今年は適切な受診・受療行動を行うようお願いいたします。 当院はこの地域の拠点病院として、コロナ感染症および各診療領域での高度医療提供の両立が最大の使命です。新年度からは複数の診療科で、専門医や指導医を持つ能力の高い中堅医師が赴任いたします。それに合わせ適切な施設の改装や高度医療機器の導入、災害対応能力向上のための工事等を実施する予定です。
　当院は本年も日々能力を上げるための努力を実施いたします。持病が悪化した場合や健康診断等で異常が発見された場合、ぜひ能力の高い当院での検査・治療をご検討ください。
　今年も当院をよろしくお願いいたします。