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院長メッセージ

『良い未来を目指して』

2023年3月

 朝方の私にとり、夜明け早さから春の訪れを感じている今日この頃です。それに合わせたように新型コロナウイルス感染症も落ち着きを見せています。思えば3年前の2月3日、ダイアモンドプリンセス号の横浜入港から続く長期間のコロナ厳戒態勢でしたが、やっと終わりに近づいたようです。感染症法上も届け出や隔離・濃厚接触者調査等が不要な五類感染症に変更される事が決まっています。変異を繰り返すコロナ感染症に完全な終わりはありませんが、ポストコロナ時代の新たな社会を作る春が訪れたと感じます。
 ところで、昨年は疫病・戦争・異常気象の不安が入り混じった苦難の年と言われています。日本でもこれに付随する物価高騰に見舞われ、当院でも公共料金だけで、年間2億円近い支出増となる見込みです。新年度、確かに疫病に終りは見えましたが、戦争の影は消えず、異常気象の元である温暖化対策が進まない等、未来に不安を残しているように感じます。
 良い未来を目指すためにはどうすればよいのでしょうか。ある経済学者は、「世界の安定と秩序回復には言葉への信頼が必須」(大阪大学猪木武徳名誉教授、日本経済新聞1月4日)と語っています。「デモクラシーの柱は言葉への信頼であり、フェイクニュースやうそ、根拠の薄い主張が政治を乱し混乱を招く」という内容です。確かに「選挙が盗まれた」、「現在のナチズムに対抗するための戦争」等、大国のトップ等から言葉の信頼を毀損するような言動が続いています。コミュニケーションの基本である「言葉への信頼」の重要性を感じます。
 当院は未来を考え、変化を続ける必要があります。これからも適切な情報を「信頼できる言葉」で地域や院内に発信、病院スタッフが同じ言語、同じ考えで運営できるよう幹部職員に協力を求めています。
 さて私事ですが3月末をもって定年退職します。1987年当院に初派遣、9回の異動後、2009年(移転前年)に戻りました。その後は手術部門を管理、そして平成最後そして令和最初の院長となり4年間務めました。就任後よりほぼ1回/2か月の頻度でこの院長メッセージを配信、今回で23回目となります。校正者はなく、私の乱筆乱文をそのまま掲載するという乱暴な事を続けました。目を通していただいた皆様に感謝いたします。
 院長就任時、任期中の目標を複数考えていましたが、コロナ禍に巻き込まれ一部のみしか達成できなかったのは残念です。ただ現役の医療者が誰も経験していない100年ぶりの感染症パンデミックに、中核病院として良好な対応できたこと院長として安堵しています。
 私はこれまで11か所の病院で勤務経験がありますが、コロナ対応だけでなくすべてにおいて、当院ほど適切な対応を多くの場面で実施している病院はない、と感じています。私は定年退職となりますが、これは国立病院機構病院全体に感ずる「雰囲気」ですので、今後も続くことは間違いないと考えます。
 地域の方々そして病院や診療所の先生方、そしてスタッフの皆様、大変お世話になりました。今後も適切に診療能力を上げ続ける当院をぜひよろしくお願いいたします。
 皆様ありがとうございました!

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