横浜医療センター ブログ
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理学療法士にインタビューしてみた!
2024年12月13日
今回は当院の理学療法士(Physical Therapist)にお話しを聞いてみました。
🔸リハビリテーションに関わる職種はいくつかあるようですが、それぞれ教えてください。
当院のリハビリテーション科では理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が活躍しています。「理学療法士」とは病気やケガなどが原因で、歩く・寝る・座るなどの基本動作が困難な患者さんに対して、体の機能を取り戻すお手伝いをするリハビリの専門職です。
「作業療法士」は、基本動作の応用編で日常生活の動作(洗濯をする・ペンを持つなど)を実現していく専門職です。また、生活に必要な認知機能や高次脳機能にもアプローチして社会復帰に貢献する役割もあります。
「言語聴覚士」については過去のブログをご覧ください。
🔸理学療法士のお仕事について教えてください
よく患者さんから「今日はマッサージ師さんが来てくれた」と言われることもあるのですが、マッサージ師ではありません(笑)
その場で体をほぐして楽にするリラクゼーションの目的とは異なり、医学的に痛みの原因を考えながら、その人の普段の生活スタイルに合わせて体の機能を回復・維持させていくことが目的です。
🔸普段のお仕事内容を教えてください。
私は現在、15人ほどの患者さんを担当し、平日は毎日リハビリを行っています。時期によっては20人くらいの患者さんを担当することもあります。
(当院には現在、理学療法士は14名います。)
1日のほとんどは病棟へ出向き、患者さんの日々の身体面の変化や気持ちのケアも意識して患者さんと接しています。「今はそういう気分じゃない」「おなかの調子が悪い」となれば、予定の組み換えや運動量の調整をしています。
🔸急性期病院ならではの業務はありますか?
当院には比較的重症度の高い患者さんが多いので、病室でリハビリを行うことも多いです。身体の回復が第一なので、治療や処置を優先し、医師や看護師と連携を取りながら患者さんの体調に合わせてリハビリの計画内容を考え段階的に進めています。
急性期から回復期、在宅への切れ目のないリハビリを提供するために発症早期からリハビリを提供しています。また、次の転院先に移れるところまで状態を良くすることが望まれています。
🔸これから理学療法士を目指す方へメッセージをお願いします。
リハビリテーション科だけではないかもしれませんが、幅広い年齢層の患者さんと接する機会があるので、色々な会話の引き出しを持っておくと良いと思います。
医療の現場では患者さんとのコミュニケーションは欠かせません!
🔸おまけ
職業病なのか、電車やすれ違う人の姿勢や歩き方を見ると、自然に歩行分析を行い、この部分を改善できたら良くなるのに!と思ってしまいます(笑)
理学療法士からのコメント💭
「患者さんが心身ともに元気になって退院できるよう、スタッフと共に今後も患者さんとご家族に寄り添いながら一歩一歩リハビリを進めていきたいと思います。」
最後に当院からのお知らせです。
コロナで長らく開催できなかった市民公開医療講座を再開します。
今回のテーマは「あなたのための乳がんセミナー」で、乳腺外科の専門の医師が、乳がんの気になることについてお話しします。来年1月9日(木)の午後2時30分から、戸塚区役所の多目的スペースで開催します。無料でどなたでもご参加いただけますので、下記のQRコードよりぜひお申し込みください。
「薬剤師外来」がスタートしました🏥
2024年12月06日
初冬の候となりました。
当院では今週クリスマスツリーが飾られました。
入院中の患者さんやご来院の方々に、少しでも心穏やかな気持ちで過ごしていただけると幸いです。
さて、当院では11月から新たな医療サービスとして「薬剤師外来」を開設しました。
「薬剤師外来」とは、抗がん剤治療を受けられる患者さんに対して、薬剤師が直接お話を伺い、より安全で効果的な治療を支援する取り組みです。
当面は乳腺外科で注射・点滴による抗がん剤治療を受けられる患者さんを対象としています。診察の前に薬剤師がお話を伺い、前回の治療後に起きた体調の変化や気になる症状について詳しくお聞きします。時には医師には言いづらい些細な変化や不安なことも、薬剤師が丁寧にお伺いし、必要に応じて医師に橋渡しをさせていただきます。
また、必要に応じてかかりつけ薬局とも連携を図り、日常生活における体調管理や服薬管理について、地域全体でサポートする体制を整えていきます。実は、このような薬剤師による面談は、抗がん剤の副作用軽減に効果があることが確認され、今年の診療報酬改定で「がん薬物療法体制充実加算」として認められました。
薬剤師は薬の専門家として、これまでも入院患者さんの治療に関わってきましたが、今回の「薬剤師外来」の開設により、外来患者さんへのサポートをより一層充実させることができるようになりました。
当院は今後も地域の皆様により質の高い医療を提供できるよう、様々な取り組みを進めてまいります。
担当薬剤師からのコメント💭
「治療の際に気になることや不安なことがありましたら、遠慮なくお話しください。
患者さんやご家族の方々に、より安心して治療を受けていただけるようサポートさせていただきます。」
CTとMRIの違いをわかりやすく解説!~知られざる医療機器の世界~
2024年11月22日
今週日曜日は半袖でも過ごせるくらいの陽気でしたが、月曜日に入ると真冬のような寒さとなり防寒なしでは出歩けないほど寒い日がありました。
また、横浜市内ではインフルエンザが流行しています。
引き続き、咳エチケットや手洗いでしっかりと予防していきましょう。
さて、今回は放射線科でCTとMRIの違いについて解説します!
わかりやすく説明しますので、細かい所は省きます😊
CTとMRIはどちらも似たような大きな機械ですが、実は仕組みや得意分野が違います。
どちらの撮影画像も似たような画像です。
それではCTから解説していきます。
CTは、X線を使って体の内部を画像化します。
X線写真は基本的に白黒の画像ですので、X線が透過しにくい組織は白く、透過しやすい組織は黒く写ります。人体で言うと、X線が透過しやすいのが肺なので黒っぽく写り、透過しにくいのが骨なので白っぽく写ります。筋肉や臓器(心臓、腎臓、肝臓等)はその中間の灰色に写ります。
MRIは強力な磁力とラジオ波を使って、体内の水分や脂肪を画像化します。
放射線を使わないので、被ばくする事はないですが、装置は常に大きな磁力を発生しているので注意が必要です。組織の種類(筋肉、脂肪、血液など)によっても水分量や磁気的な特性が異なるため、MRI画像では異なるコントラストが得られます。たとえば、脳では組織によって異なる信号強度で写るため、詳細な脳構造を確認できます。
MRIについて詳しい解説はこちらの動画をご覧ください。
CTやMRIの検査をする場合は、それぞれの特徴を活かして使い分けていますが、X線被ばくによる影響や体内金属の有無なども考慮しなければなりません。
CTとMRI、それぞれに得意分野があります。CTは検査時間が短く、且つ広範囲を検査できます。しかし、X線による被ばくがあります。MRIと比較すると脳出血や骨折の描出が得意です。
一方MRIは検査時間が長く、検査範囲も限定的です。X線被ばくはありませんが、装置の特性上体内に磁性体がある方は検査が出来ません。また検査中は体温の上昇や非常に大きな音が発生します。CTと比較すると脳梗塞や四肢の筋肉や靭帯の描出が得意です。
今回は簡単にCTとMRIの違いを解説しましたが、YouTubeの横浜医療センター公式チャンネルには放射線検査の説明や検査による被ばくの説明の動画がありますので、ご興味のある方はこちらもご覧ください。
言語聴覚士がブログインタビューに答えてみた!
2023年12月15日
※イルミネーションは令和6年2月15日をもって終了いたしました。
冬至に向けて、日の入りが早くなってきましたね。
冬の夜空に映える当院のシンボルツリーは今年度も「ソーラーパネル」蓄電によるイルミネーションを実施しています。
点灯期間は令和6年2月29日(木)までとなっています。
癒しの灯を楽しんでいただけたら幸いです。
さて、今日は言語聴覚士のお話です。
言語聴覚士とは「話す」・「聞く」・「食べる」といった人が生活する上でとても大切な機能の障がいがある方に専門性の高いサービスを提供し、自分らしい生活を構築できるように支援するセラピストです。
「Speech Language Hearing Therapist」の頭文字をとって院内では「ST」と呼ばれています。当院で勤務する2名のSTにインタビューを行いました。
🔸言語聴覚士になるにはどのような資格が必要ですか?
高校卒業後に大学・短大または専修学校(3~4年)へ行くか、大学4年を卒業後に専修学校(2年)を卒業し国家試験に合格する必要があります。
2人とも元々は教員や心理学の道を目指している途中でSTの職業を知り興味も持ちました。
🔸横浜医療センター(急性期病院)でのSTの業務を教えてください。
脳血管疾患や交通事故などで脳の一部を損傷したために、失語症・構音障害(高次脳機能障害)によりコミュニケーションに支障がある方への評価や訓練プログラムの検討を行っています。また、内科疾患等が原因で起こる嚥下障害で食べ物が飲み込めない方への訓練なども行います。
🔸仕事をしていて楽しいことや嬉しいことを教えてください。
精神的に1番大変な時期を乗り越える場所だと思うので、辛いリハビリを乗り越えて食事ができるようになったりして回復していく患者さんをみられることが嬉しいです。
🔸最後に言語聴覚士を目指す方へメッセージをお願いします!
専門のカリキュラムはとても辛いし、就職後も勉強は必要なので日々忙しいですが、患者さんに合わせたプログラムで訓練の成果が出た際には大きなやりがいが感じられます。
また、当院は土・日・祝はお休みなので子どもの習い事の付き添いや好きな場所へ出かけるなどプライベートも充実しています。
今回のインタビューを通してSTの方々が、患者さんやそのご家族へできることの可能性を増やし良い未来へ導くお仕事をされているということがとてもよく分かりました。
今後も当院では患者さんの「できた!」を多く増やせるように一人一人の気持ちに寄り添って支援を行っていきます。
病院食の衛生管理と家庭での食中毒予防について
2023年06月23日
今日は当院の栄養管理室長より食中毒予防についてのお話です。
食中毒は年間を通して発生していますが、梅雨から夏にかけて特に食中毒に注意したい季節となります。
当院の栄養管理室は管理栄養士10名と、調理師と調理員の6名の職員、委託職員の総勢51名で構成されており、毎回約300食の食事を提供しています。
当院では、HACCP(ハサップ)という世界で標準的に活用されている衛生管理の手法に基づき調理を行っています。HACCPとはアメリカのアポロ計画の中で宇宙食の安全性を確保するために発案された衛生管理の手法で、当院でも宇宙食の様に安全な食事提供を心掛け日々取り組んでいます。
気温が上がるこの季節、家庭で食中毒を予防するためには、「付けない」「増やさない」「やっつける」という3原則を守ることが大切です。
①「付けない」・・・お料理を作る時は、きちんと手を洗うことが大切です。また、お肉を切ったまな板をしっかり洗わず、続けて生で食べる野菜を切ったりする事で、お肉の菌が野菜に付着することになるため、切る順番を変えることで、菌の付着を防ぐことができます。
②「増やさない」・・・スーパー等で食材を購入後、寄り道をせず家に早く帰り、冷蔵庫や冷凍庫に入れ保管することで、菌の増殖を防ぐことができます。夏はかなり気温が上がるため、保冷剤や保冷バックの利用もお勧めです。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下を保ち、冷蔵庫の詰め込み過ぎにも注意しましょう。
③「やっつける」・・・多くの細菌は、75℃以上で1分以上加熱することで死滅することができます。お肉は中心部までしっかり加熱することが大切です。火の通りにくい鶏肉やハンバーグは特に注意し十分に加熱しましょう。
また、夏に向けてバーベキューや焼き肉をする機会が増えますが、お肉の中心部までしっかり焼くことで細菌は死滅するので、よく焼くことを心掛けましょう。また、生肉を扱った菜箸やトングは、焼き上がったお肉やサラダを盛り付ける時に使用しないよう注意しましょう。
最後に、コロナ禍以降デリバリーやテイクアウトの利用が増えています。調理してから食べるまでの時間が長く、特に気温の高くなるこの季節は、食中毒が発生しやすいため、購入後は速やかに食べるようにしましょう。
夏は細菌性食中毒が増加する季節となります。普段以上に食品の取り扱いに注意しながら、バランスのよい食事を心掛け、暑い夏を乗り切りましょう。
薬剤師がブログインタビューに答えてみた!
2023年04月28日
こんにちは。大型連休が目前に迫っていますね。
今年はコロナ対策が緩和され、観光地では多くの人出が見込まれるようです。
みなさんのご予定はいかがでしょうか。
さて、当院の広報誌「はらじゅくかわら版春号」が来週完成する予定です。
かわら版に部署紹介として掲載されているのが、「薬剤部」なのですが、かわら版の完成に先駆けて薬剤部職員にインタビューを行いましたので、ブログに掲載します!
🔹インタビューよろしくお願いします。
かわら版に続いて、ブログでも取り上げていただきまして、ありがとうございます。
セルフメディアミックス状態ですね。かわら版にも書いていますが、あまり表舞台に出ることがないので、皆さんに知ってもらう機会をいただいてありがたく思います。
🔹当院の薬剤部の特色について教えてください。
横浜医療センターの薬剤部は26人の薬剤師で稼働していますが、仕事と家庭を両立している薬剤師が「いと多し」・・・そして「強し」・・・、いや、「頼もし」です。
🔹薬剤師はどんな性格の方が向いていると思われますか?
薬剤師に求められる役割が時代ごとに変わってきているので、向いている性格も変わってきたと思います。そんな中でも周りにどんな方が多かったかというと「マジメ」な方かなぁ。
「カタイ」方もいます。(悪口に聞こえたらごめんなさい💦)
ちなみに私はどちらにも当てはまらない「希少生物」のようです(笑)。
もっとも、薬剤師が働く職場は、病院以外にもいろいろなところがあるので、どの性格でもハマるところはあると思いますよ。
🔹薬剤師の業務で大変なことはなんですか?
実は体力勝負だということです。薬のイメージというと、錠剤とかカプセルとか湿布とかだと思いますけど、点滴・・・あれ液体ですからね。20本とか入った段ボールを運ぶ機会もたくさんあるのですよ。
あと、薬の名前はカタカナばかりで、増える一方なので、覚えるのが大変です。薬剤師だって、これには苦労しています。でも、だからといって漢方薬みたいに読めない漢字が並んだような薬が多くても、またそれはそれで困るのですが😅
🔹薬剤師を目指す方へメッセージをお願いします!
もし、薬剤師を目指している方がこの記事を見ていたら、2つ、伝えたいことがあります。
1つ目は「体力重要!マジ重要!」
2つ目は「勉強頑張れ!超頑張れ!」
普段見えないところにいる薬剤師ですが、高い専門知識と体力が必要な職種!ということがとてもよく分かりました。
また、進化していく医薬品に向上心を持って知識を磨き続けていることもわかりました。
当院では薬剤部を中心に、今後も安全に、そして適切に患者さんの元に薬がお届けできるように努めてまいります。