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肝臓がん


肝臓がんとは

肝臓のがんは、肝臓にできた「原発性肝がん」と別の臓器から転移した「転移性肝がん」に大別されます。原発性肝がんには、肝臓の細胞から発生する「肝細胞がん」と、肝臓内の胆管の細胞から発生する「肝内胆管がん」、その他に稀ながんがいくつかあります。日本では、原発性肝がんのうち肝細胞がんが90%以上と大部分を占めています。 日本の肝がんによる死亡者数は、年間3万人を超えています。

原 因

肝細胞がんはC型肝炎、B型肝炎、アルコール性肝障害、自己免疫肝疾患、脂肪肝など、慢性肝疾患がある人に発生することが多い癌です。C型肝炎ウイルス感染者が約60%、B型肝炎ウイルス感染者が約15%です。C型肝炎は、新しい治療薬の登場により、近年減少傾向にあります。一方、脂肪肝(脂肪性肝炎)由来の肝がんが増加してきています。
肝硬変まで進展していると肝細胞がんの発生率が高くなりますが、肝硬変に至っていなくても、がんを発生することはあります。

診 断

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれています。肝細胞がんになっても、通常、かなり進行するまで自覚症状はありません。肝細胞がんの早期発見のためには、超音波検査、CT、MRIなどの画像検査と、腫瘍マーカー(AFP、PIVKA-II、AFP-L3分画)などの血液検査が必要です。特に、慢性肝疾患がある人は、定期的に検査を受ける必要があります。

治 療

肝細胞がんの治療は、がんの進行度(がんの個数、大きさ、血管への拡がり、他の臓器への転移など)と、肝機能の程度(肝障害度 表1)を考慮して決定されます。(図1 エビデンスに基づく肝細胞がん治療のアルゴリズム)。主な治療法としては手術療法(肝切除)、経皮的局所療法(ラジオ波焼灼療法・エタノール局注)、塞栓療法、化学療法(肝動注化学療法・分子標的治療薬)、放射線療法などがあります。


【表1】 肝障害度

 
A
B
C
腹水 ない 治療効果あり 治療効果少ない
血清ビリルビン(mg/dl) 2.0未満 2.0~3.0 3.0超
血清アルブミン(g/dl) 3.5超 3.0~3.5 3.0未満
ICG-R15 (%) 15未満 15~40 40超
プロトロンビン活性(%) 80超 50~80 50未満

【図1】 エビデンスに基づく肝細胞がん治療のアルゴリズム

2020年度 当院の肝臓がん治療症例数

肝切除術
     開腹手術
     腹腔鏡下
14
8
6
ラジオ波焼灼療法 9
エタノール局注 5
肝動脈化学塞栓術 34
分子標的治療薬 44
 

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