放射線科
心と脳と体の相互作用を常に考慮しながら診療しています。
診療科の概要
主として悪性腫瘍(いわゆる”がん”)に対する放射線治療を行っています。 放射線治療はがん治療の3大治療方法として確立され、本邦では年間20万人以上に対して根治ないし症状緩和のために放射線治療が施行され施行されています。地域がん診療連携拠点病院である当院でも外科的治療、薬物治療と協同して治療しております。
治療方針は科学的根拠に基づいた最善の治療ですが、患者さん自身やご家族等の希望、病状、年齢や他の疾患等の身体的状況、お仕事やご家庭等の社 会的状況等を御相談しながら、個々人にあった放射線治療を行いたいと考えています。その為、初診時には特に時間を掛け、治療方針をご相談ご確認したいと思っております。
スタッフは、常勤の放射線治療専門医、放射線治療専門技師、放射線治療専従看護師が在籍し、チーム医療で一丸となって放射線治療を行っています。毎回の放射線治療の際には看護師が付き添い、放射線治療医の診察は少なくとも週1-2回行い、放射線治療終了後の経過観察も行っています。又、放射線治療専門技師は治療装置の点検整備を 毎日早朝より行い、毎週スタッフ全員でのカンファレンスを行い、最善の治療に努めています。
治療装置は世界最高水準バリアン社製の最新リニアックCLINAC-21EXで、正確な3次元放射線治療(3D-CRT)、強度変調放射線治療(IMRT)、体幹部定位照射(いわゆるピンポイント照射)、呼吸同期照射が可能な装置です。精密な放射線治療施行のため16列マルチスライスCTと最新治療計画専用コンピュータEclipse、呼吸同期照射のためバリアン社製RPMやエイペックスメディカル社製アブチェスを保有活用しています。
放射線治療は週5回(月~金曜日)連日行いますが、1回の照射時間は数分で、治療時の痛みや 熱さを感じる事はありません。放射線治療装置と専用待合室、放射線科診察室は隣接し、常勤放 射線治療専門医、放射線治療専門技師や放射線治療専従看護師によりアットホームな雰囲気で、大多数の方が通院で行っています。 治療期間は治療目的、病状等に応じて1週間から2ヶ月ですが、お仕事やご家庭の事情に応じて通院しやすい治療時間を調整し、従来の日常生活がなるべく継続維持出来る様お手伝いします。
なお、連日通院を要する放射線治療は病院に近い方が時間的にも身体的にも負担が少ない事から乳癌や前立腺癌等で、ほかの病院で手術等施行しても放射線治療は通院しやすい病院で希望される方が増えております。当院でも可能で、治療後は手術等施行した病院に戻る事が可能です。
対象
がんと診断され、放射線治療を勧められた患者さん
がんと診断され、放射線治療を希望される患者さん
がんと診断され、治療方針を相談中の患者さん
対象疾患
ほぼ全ての悪性腫瘍(いわゆるがん)。
その他ケロイドや甲状腺眼症等の良性疾患、脳血管奇形や脳腫瘍の一部も放射線治療の対象です。
肺癌、縦隔腫瘍等の呼吸器のがん
前立腺癌、膀胱癌等の泌尿器悪性腫瘍
食道癌、直腸癌、 胃癌、肛門癌等の消化管のがん
膵臓癌、胆道癌、胆嚢癌、肝臓癌等の肝胆膵悪性腫瘍
乳癌(乳房温存術後、乳房切除後等)
子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌等の婦人科がん
喉頭癌や舌癌等の頭頚部がん
悪性リンパ腫等の血液悪性腫瘍
脳腫瘍、皮膚癌、骨軟部腫瘍、原発不明がん等
上記疾患に対する根治治療として臓器温存や体の負担の少ない特徴を治療に活用しています。
具体的には、乳房温存術後等の乳癌、喉頭癌や肛門癌等での臓器温存 目的の放射線治療と共に、外科切除とほぼ同等の治療結果が期待される前立腺癌は通院での放射線治療を行っています。病状で必要があれば、抗がん剤等の薬物治療や外科的切除と併用した積極的な治療(あきらめない治療)により治療効果の向上を図り、逆に、高齢や他疾患のある患者さんには体の負担の少なさを利用し、ご自宅の生活を続けながら、外来通院での放射線治療も行っております。
痛み、出血、咳嗽、呼吸困難、浮腫、黄疸、麻痺等の症状を緩和する目的の緩和放射線治療も緩和ケアチームと協同して積極的に行い、通院治療の積極的な導入や最小限の治療回数を心がけています。 (病状によっては1回のみの照射で、通院がほぼ不要な場合もあります。)
スタッフ紹介
役 職 |
氏 名 |
専 門 分 野 |
認定医・専門医 |
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部 長 |
すぎやま まさと 杉山 正人 |
放射線治療 |
放射線治療専門医 日本医学放射線学会 他 |