アクセス


各セクションメニューへ

肺がん


近年、喫煙や大気汚染などの影響により肺がんの増加は著しく、男性ではがん死亡原因のトップとなっております。また、CT検査をする機会が増えたことで、たまたま肺がんが見つかることも増えてきております。腫瘍が小さい時期に発見(早期発見)し,切除することで充分に治癒が期待できます。一方、症状が出てきてから来院された場合には進行した状態で見つかることも多く、治療が難しいがんの一つでもあります。

肺癌の種類

細胞の形から分類すると腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌、小細胞癌の4つが主なものです。
腺癌の頻度は肺がんの約半数を占め、最も多くなっております。女性や非喫煙者に見つかる頻度が高くなっております。一方、扁平上皮癌は喫煙との関係が強く、男性に多いといわれています。この2種類が肺がんの大半を占めます。
小細胞癌は肺がん全体の約10%を占めますが、他の種類と比べて転移しやすい特徴があるため、治療方法は他の肺がんとやや異なり、抗がん剤治療を行う場合が多いです。

症 状

癌が小さいうちは、多くの方でまったく症状はありません。長く咳や痰が続いたり、痰に血が混ざったりするような場合は癌を疑い検査をすることが大切です。胸に痛みがでたり、声が枯れたりすることもあります。進行するとひろがり方によりいろいろな症状が出現します。

検 査

胸部レントゲン、CTなどの画像診断で肺がんが疑われた場合は、PET検査(注射した薬剤が悪性部分に集まり全身の検査ができます)を行ったり、喀痰細胞診や気管支鏡検査、CTガイド下針生検などで腫瘍の細胞を採取したりして、癌かどうかを調べます。とれる細胞が少量なので癌であっても癌細胞が出ない場合もあり、画像診断で肺がんを疑う場合には手術を考えます。
当科では診断が付いていない場合には胸腔鏡(ビデオモニターシステム)を使用して小さな傷で検査(腫瘍の細胞や組織を採取する手術)を行うこともあります。この際に呼吸器疾患を専門とする病理医により迅速病理診断を行い、悪性と判断された場合にはそのまま通常の手術に移行します。
また手術中に癌のリンパ節や切除断端への拡がりの有無を病理医に確認してもらい、より患者さん個人に合った手術を心がけています。

手 術

当院では肺がんに対しては積極的に胸腔鏡下手術を行っています。手術の傷が小さく、術後の痛みも軽いのが特徴です。手術による体へのダメージが少ないため、回復も早く入院期間も従来の開胸手術(大きく切開する手術)と比べ短くなりました。 胸腔鏡下肺葉切除術における術後平均入院期間は1週間程度です。また、がんが周辺の臓器や胸壁などに直接浸潤しておりましても,切除可能と判断された場合には積極的に手術を行っております。


手術後の治療

胸腔ドレーンという管がつながった状態で病棟に戻ります。経過がよければ、この管は数日で抜きます。順調に行けば1週間程度で退院です。なにか合併症が起きた場合には入院が長くなることもあります。 切除した肺は病理診断(癌細胞を顕微鏡で見る検査)や増殖に関わる分子の検査などを行い、進行の具合により抗がん剤や放射線治療などの、追加治療を行います。



もどる
ページのトップへ戻る